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山田タマルインタビュー

――「フルメタル・パニック! Invisible Victory(以下、フルメタIV)」ではOPテーマとEDテーマを担当されましたが、OPの「Even…if」は相良宗介を、EDの「yes」は千鳥かなめをイメージした歌のように感じました。
山田:まったくその通りで、そう聴いていただけて嬉しいです。「OPは宗介の気持ちを歌ったもの、EDはかなめの気持ちを歌ったものにしてほしい」というオーダーをいただいたので、そこを軸に作っていきました。それぞれの曲に2人の思いを込め、2曲が互いにアンサーソングになっています。

――ご自身の楽曲がアニメとリンクして展開する映像を観て、どんな感想を持たれましたか?
山田:プロデューサー、制作の皆さんからいただいたテーマに対して形にしたものが、映像で描かれていくことに感動を覚えました。編曲していただいた段階でも、曲自体の印象も私が歌を作ったところからは多少変化していたんです。そこにさらに映像がついたことで、自分の歌のメッセージを客観的に捉えることができました。「こういうことを歌っていたんだ」と、不思議なフィードバックがありました。しかも、それを観られたファンの方たちが、さらに自分たちの気持ちをそこに乗せて聴いてくれるんだと思うと、歌を作ることの一番の喜びだなあと、感じています。
――「Even…if」と「yes」、それぞれの聞きどころをお聞かせください。
山田:先ほどもお話ししたように、お互いがアンサーソングのようになっているので、2曲を合わせて聞いてもらいたいですね。また、「フルメタIV」では生死を賭けた戦いの世界が描かれているので、根底には'命'のメッセージも含まれています。「Even…if」は「もし命が明日終わったとしても、自分はこう生きるんだ」という宗介の強い意思を歌ったものです。一方、「yes」は素直に「yes」と言えない状況で生きている人たちを思って書いた歌です。例えば、かなめが自分の気持ちに「yes」と言うことは、もしかしたら世界に対して「no」ということになるかもしれない。それでも自分の心の奥には揺るぎない「yes」があることを宗介だけには届いてほしいと願っているのかなと。そんな点に思いを馳せながら聴いていただけると、よりアニメとのリンクも深まって楽しんでいただけるかなと思います。

――「フルメタIV」の中で個人的に印象に残っているシーンはありますか?
山田:第4話の「オン・マイ・オウン」はダビングを見学させていただいたこともあり、印象に残っています。特にかなめがレナードに連れて行かれるシーンでは、とても胸が痛くなりました。それに、私は、最終回でかなめが「誰を敵に回しても自分の中の『yes』は譲らない」と表明するシーンと、第4話の宗介との別れのシーンが一つの線で繋がっているように感じているんです。最後にかなめが自分の素直な気持ちを言ったときは、自分のことのように、すごくホッとして(笑)。お互いを守りたいと願っている2人が、誰にも邪魔されることなく、その思いを一つにした瞬間の感動を思い出します。この二つのシーンが個人的にはお気に入りの場面です。
――今回のベストアルバムでは、選曲する上でどんなことを意識されたんでしょうか?
山田:スタッフみんなで話し合いながら、デビュー曲はじめ、シングルになった曲は入れましょうと。そこにミニアルバムやアルバムの収録曲からセレクトして、時系列でリリースした順に並べていきました。そのプロセスを通して、デビュー以来12年の中で「フルメタ」に関わらせていただいたことは、私にとってとても大きな転機になったことを改めて感じました。先日、上海で歌わせていただく機会があったのですが、そこに遥々北京から「フルメタ」のファンの方がいらして、日本語で「僕たちの好きな『フルメタ』に素敵な曲をありがとうございます」と言ってくださって。日本のみならず海外でも大きな影響力のある作品に携われて、本当にしあわせだなと。私の曲を受け入れてくださった「フルメタ」ファンの皆さんにとても感謝しています。

――そんな「フルメタ」ファンの方たちに向けて、今回のベストアルバム収録曲の中で、「フルメタ」楽曲以外のおすすめの曲は?
山田:もちろん全曲なんですけど(笑)、同じアニメ関連曲という意味では、アニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」のために書いた「Always in my heart」と「Ever be my love」、表題曲にもなっている「とっくに愛してる」や「秘密の静寂」、「恋の景色」といった曲には、「フルメタ」の深いメッセージに通ずるものがあるとも思うので、ぜひ聴いていただきたいです。

――それでは最後にファンの方にメッセージをお願いします。
山田:私が「フルメタ」に最初にかかわらせていただいたのは、ディレクターズカット版三部作のテーマ曲を書かせていただいたときでした。それに続き、「フルメタIV」ではOPテーマとEDテーマを担当させていただいて。本当に本当に、嬉しいです。私は「フルメタ」の曲を歌わせてもらう度、いつも「この歌を作ることができて、本当によかったな」と思うんです。歌うことで、目の前で聴いてくれるファンの方たちからたくさんの力をもらっていることを感じます。これからも日本各地はじめ、世界中で、もっともっとまっすぐ、歌を届けられる機会を作っていきたいなと思っています。今後も応援よろしくお願いします!
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